Whistler(Windows 2001?) Beta1 Review

※Windows .net・Windows2001などの名前はここではWhistlerと書かれていると思って読んで下さい。
※このページは開発途中版を元に書かれています。製品版とは違うところも多くなると思います。

 Whistlerとは何かを知らない人は、先にWhistlerって何?のコーナーを見てください。

概要
 10月31日、WhistlerのBeta1(初期開発途中版)が公開されました。その後、関係企業・テスター・開発者へも配布されました。(MSDNのユーザーはWEBからダウンロードできます。) (Figure1)

セットアップ
 セットアップはWindows2000よりも、Windows98やMeに近いものになりました。グラフィカルな画面で、左側には今の段階が表示され、右側には紹介が表示されます。
 セットアップの途中で、「ダイナミックアップデート」という機能があり、先に修正モジュールをインターネットからダウンロードし、そのファイルを使用してセットアップすることができます。
 あと、標準のインストールフォルダがWINNTからWINDOWSに変更されました。NTという色を消して、Windowsの後継という位置付けのあらわれだといえるでしょう。

起動
 起動中はWindows95,98,Meと同じように、ロゴの下のバー(っていうか点)が流れるようになりました。起動ロゴの変更ができるかどうかは不明です。
 ログオン画面はいままでとは似ても似つかないものになりました。画面いっぱいに画像とともにユーザー名が表示され、クリックするとその名前でログオンできます。Windows98のファミリログオンに近いといえば近いのですが、アニメーションなどもあり、かっこよくなっています。また、「個人用の設定を適用中・・・」などのメッセージもこの画面のまま表示されます。

全体のスタイル(Visual Style)
 ウィンドウの概観などを変更することができるようになりました。ウィンドウの概観にはタイトルバーやメニューの配色なども含まれています。Beta1のデフォルトでは新しい外観が使用されています。従来のスタイルも用意されています。設定ファイルは書き換えられそうなものだったので、自分でも作ることができると思います。
 また、ツールチップ(Figure2)とメニュー(Figure3)には影がつけられるようになりました。あまり実用性があるとはいえませんが、ちょっとうれしいです。

スタートメニュー
 スタートメニューは(全体のスタイルとは別に) シンプルタイプ(Figure4)か、従来のタイプかを選択できます。Beta1のデフォルトはシンプルタイプでした。このシンプルタイプですが、シンプルな割に、いろいろと便利な機能を備えていて、項目をデスクトップにドラッグしてやると、その項目へのショートカットをデスクトップに作成できます。ファイル名を指定して実行などをデスクトップに置くとなかなか便利です。(Figure5)シンプルスタートメニューの構成は、2列になっていて、左側には特に登録されたアプリケーションと最近使われたアプリケーションが並びます。右側にはマイコンピュータやマイドキュメントなどへのショートカットが並びます。最近使ったアプリケーションの下の部分から従来のスタートメニューのプログラムフォルダと同じものが表示でき、普段はここからプログラムを起動することになります。また、アプリケーションへのショートカットを右クリックして、スタートメニューに追加することもできます。(Figure6),(Figure7)

タスクバー
 タスクバーの機能も強化されています。まず、複数の似たウィンドウをまとめて表示することができます。例えば、ブラウザでいくつものウィンドウを同時に開いている場合、従来ならタスクバーにいくつもの項目が表示されますが、Whistlerでは1つの項目として表示され、その項目をクリックするとメニューのようなものが開いて、そこから1つ1つのウィンドウを選択できます。(Figure8)

ユーザーの切り替え
 従来からWindowsNT系統は複数のユーザーの切り替えに対応していましたし、Windows95,98,Meもとりあえず対応しています。しかし、Whistlerは一味違います。複数のユーザーのタスクを同時に動かせるのです。(Figure9)例えば、Aさんがフリーセルをやっていたとします。そこへ、Bさんが緊急の仕事をもってきたとします。このときWhistlerでは、Aさんのフリーセルはそのままでログオフし、Bさんがログオンして使うということができます。そして、Bさんの仕事が終わった後、Aさんはフリーセルの続きをすることができます。

互換性モード
 互換性モードとは、アプリケーションに対してWindows95を名乗ってWindows95専用のソフトを動かす事です。とくに、DirectXを使用したゲームのインストーラなどはWindows95,98,Meなど以外ではセットアップできないようにしてあることも多いので(WindowsNT4まではDirectXが完全には搭載されていなかったため。)そのような時に重宝します。Windows2000でもリソースキットを使用することによってできましたが、今回は標準で装備されました。ショートカットのプロパティでも設定することができます。(Figure10)

リモートデスクトップ
 
他のコンピュータからWhistlerの動作しているコンピュータに接続して、操作できるようにする機能です。あらかじめ受け側のコンピュータに登録しておくことで、他のコンピュータから遠隔操作することができるようになります。

移行ウィザード
 同じコンピュータでWindows98などからWindows2000へのアップデートではいろいろなソフトの設定が引き継がれますが、同じコンピュータでも別にインストールした場合や、他のコンピュータに新しくOSを入れた場合などは今までの設定は消えてしまい、インターネットの接続の設定などをやり直さなければなりません。しかしWhistlerでは移行ウィザードを使い、以前使っていたコンピュータやOSで情報を収集した後、新しいコンピュータに適用することができます。(Figure11)

おまけ
 いままで、アプリケーションが一般保護エラーを起こした場合、「不正な処理をしました。」と出てきますが、Whistlerでは「問題が発生したため〜を終了します。お手数をおかけして申し訳ありません。」と表示されます。「自分は不正な処理をしていない!」という反論をされないようにするためでしょうか・・・?

Figure1 バージョン情報 Figure7 項目の追加されたスタートメニュー
Figure2 影つきツールチップ Figure8 複数項目をまとめて表示するタスクバー
Figure3 新スタイル&影つきメニュー Figure9 ユーザーの切り替え・ログオフダイアログ
Figure4 シンプルスタートメニュー Figure10 ショートカットの互換性モードの設定
Figure5 デスクトップにスタートメニュー項目 Figure11 移行ウィザード
Figure6 スタートメニューにアイコンを追加メニュー項目